気管支喘息の検査と診断

経過や診察所見で診断を行います。
小学生以上は呼吸機能検査も診断に有用です。でも、呼吸機能検査で正常な気管支喘息のタイプがあるので注意が必要です。
小学生未満は、診察所見や気管支拡張薬の効果などを参考に診断します。
採血については管理の参考に使用します。採血だけで喘息と診断することはありません。

①呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸の呼気量と吸気量を時間経過とともに検査することで換気機能を調べる検査です。
息が外に漏れないようにクリップで鼻をつまみ、マウスピースをくわえます。そして思い切り吸い込み、力いっぱい吐きます。肺に出入りする空気の量や流速(スピード)を調べます。スパイロメータという医療機器を使いスパイログラム(肺気量分画)を検査します。これをもとに肺活量、%肺活量、1 秒量、1 秒率を求め、呼吸の換気機能がどのくらいかを測定します。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)
呼吸機能検査(スパイロメトリー)

②血液検査

3歳以上のお子さまの喘息はアレルギーが原因であることが多く、これをアトピー素因があると言います。日常生活の中でどのようなアレルゲンに感作(反応)しているかを検査するために血液検査を行うと生活の注意点がわかります。3歳以上になったら1度は検査した方が良いでしょう。血液検査は、ハウスダストやダニ、犬や猫などペットの毛、カビ、花粉などについて検討します。

③胸部レントゲン

喘息以外の病気がないか判断します。喘息と同じような症状の疾患、肺炎など発見しやすく、その広がりの程度など多くの情報を簡単に得ることができます。

④NO検査

呼気中のNO(一酸化窒素)の濃度を測定する検査です。喘息は慢性的に気道に炎症を起こす病気です。
喘息患者の気道からは、主に好酸球性炎症によって気道上皮細胞のNO合成酵素(INOS)が誘導され大量のNOが産生されています。そのため呼気中のNO濃度が上がります。呼気中のNOを測定することで、好酸球性気道炎症の存在や程度を知ることができるとされています。ただし、個人差もありますので判断には注意が必要です。

NO検査

喘息にはどのような治療法があるのか

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