喘息の注意点と予防方法

喘息は薬だけで治すものではありません。

生活習慣を整えましょう

  1. ストレスをためない為にも体調がよいときには元気に遊びましょう
  2. タバコは厳禁!発作の原因となりますし、目に見える発作がなくとも肺の状態は確実に悪化していっています。ご両親が吸っている場合は最低限子どもがいないところで吸いましょう。ただし、臭いがしているということはタバコの粒子をまとっているということです。発作の原因となるので、やはり基本はご家族の禁煙をお勧めします。
  3. 十分な睡眠をとりましょう。良質な睡眠は自律神経を整えます。最近は良質で充分な睡眠がとれていないお子さまが沢山いらっしゃいます。睡眠前2時間はスマホやテレビは見ないようにしましょう。

体調を整えましょう

  1. 風邪やインフルエンザの予防をしましょう。
  2. 適度な運動は発作が起こりにくい体質になります。スポーツの種類は本人が興味の持てるものでよいでしょう。ただ、埃、土ぼこりの影響を受けにくいスポーツの方が好ましいとは思います。水泳がよく良いと言われますが、室内プールで行う場合は塩素で喘息症状が悪化することがありますので注意が必要です。
  3. 肥満に注意しましょう。肥満は様々な理由から喘息コントロールの悪化に繋がります。お子様の場合には運動することで体重を減らすのは難しく、食事の見直しが必要です。

室内の環境を整えましょう

アレルゲンの除去が不可欠です。出来ることから行いましょう。

寝具

  • 高密度繊維布団カバーや防ダニ布団の使用(カバーのみでも可)
  • こまめな洗濯
  • 日光干し(叩かず、取り込むときには必ず掃除機をかけましょう)
  • 加熱・乾燥・殺菌ランプによる処理
  • 掃除機を用いた集塵

じゅうたん・ホットカーペット・畳

  • 使用しないことが望ましい
  • フローリングに張り替える。畳の上にフローリングシートを敷くことは禁

ソファ

  • 布製のものは使用しない(革製か合成皮革のものを使用する)

ぬいぐるみなどの布製のおもちゃ

  • 処分することが望ましいが、情操面から必要な場合には洗濯のできるものを少数にとどめる

家具

  • 数を減らす
  • 扉をつける
  • 埃がたまらないように家具の上に隙間を空けない
  • 掃除のしやすさを考えて家具の上に物を置かない
  • 移動できるようにして家具の裏の掃除をしやすくする

カーテン

  • ブラインドに替える
  • 洗濯しやすい素材のものにする
  • 掃除機で吸ったり、はたいたりして埃を減らしましょう

ペット

  • イヌ、ネコ、ハムスターなど毛の生えたペットの飼育は避ける。既に飼ってしまっているようであれば、1日1回しっかり掃除をして、可能であれば生活空間を分けましょう(ペットがいる空間を限定する)。

掃除機

  • フィルターつきで集塵袋も二重になったものが望ましい
  • 出来るだけほこりが舞わないようなもの

鉢植え

  • 室内に置かない

暖房器具

  • 石油やガスなど化学物質の発生する器具は室外換気型が望ましい

建材

  • 揮発性有機化合物を含有するものは避ける

タバコの煙

  • 家庭内での受動喫煙は喘息発作の誘発だけでなく、発症にも大きく関わってきます。妊娠中の受動喫煙も喘息発作の危険因子となります。
    よく「換気扇の下で吸っている」「室外で吸っている」などお聞きします。においがする時点で受動喫煙は完全に防止できていません。
    喘息を扱う医師としてはご家族の禁煙は必要だと言わざるを得ません。

喘息の危険因子

1.喘息発症に関わる個体因子

  1. 家族歴と性差
  2. 素因

    • A)アレルギー素因
    • B)気道過敏性
    • C)早産児や低出生体重児、肥満

2.喘息発症・増悪に関わる環境因子

  1. アレルゲン
    ダニ・ハウスダスト・犬・猫・カビ・ゴキブリ・スギなどの花粉
  2. 呼吸器感染症

    • A)ウイルス(ライノウィルス)
    • B)肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌など
  3. 室内空気・大気汚染物質・黄砂

    • A)受動喫煙・能動喫煙
    • B)PM2.5
    • C)その他の大気汚染物質(煙、自動車の排気ガス、臭気)
  4. その他の因子

    • A)気象
    • B)運動と過換気
    • C)栄養
    • D)心因
    • E)薬物
    • F)月経

治療を続けることが重要です。残念ながら喘息を元から治療する薬は現在はありません。しかし治療薬を継続して使用することで、「発作がおこらない状態を長期間続けること」ができます。発作がおこらない状態を長期間続けるためには、治療を毎日続けることが重要です。
治療を継続すると徐々に咳が出なくなり、夜よく眠れるようになります。しかし少しよくなったからといってすぐに薬をやめてしまうと、またすぐに発作が起きてしまいます。
ご自身・ご家族の判断で薬をやめずに、医師の指示に従ってきちんと治療を続けましょう。

喘息に関してよく聞かれる質問をまとめました。

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