喘息について、患者さんから寄せられる質問をまとめました。
- 赤ちゃんがゼーゼーするのは、喘息ですか?風邪ですか?
-
呼吸をするとき、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」するのは空気の通り道である気道が狭いから聞こえます。これは喘息の特徴的な症状です。しかし、赤ちゃんはもともと気道が細いので、少し風邪をひいただけでも「ヒューヒュー」「ゼーゼー」することがありまし、痰が絡んで「ゼロゼロ」することも多くあります。
一般の方が喘息と風邪を音で区別するのは難しいと思いますが、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」を繰り返す場合は喘息を疑いますので早めに受診してください。 - 喘息になりやすい子どもはいますか?
-
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー体質のお子さん、ご家族に喘息がいるお子さんは喘息になりやすいと言われています。喘息にならないように完全に予防することはできませんが、タバコ、ダニ、ハウスダスト、ペット、大気汚染などの環境因子が喘息を引き起こしたり、悪化させる原因になりますので、日常生活では注意しましょう。
- すぐに受診しなければならない喘息発作はどのような症状ですか?
-
息を吸うときに肋骨の間などが凹んだり、息苦しくて話ができない、呼吸が苦しくて夜眠れない、顔色が悪い等の症状があるときは「強い喘息発作のサイン」です。すぐに医療機関を受診してください。夜間や休日であってもお子様の呼吸状態をよく見て、必要があれば救急外来など受診しましょう。
- 吸入ステロイド薬の副作用が心配なのですが、大丈夫ですか?
-
確かに副作用は心配ですよね。最近はインターネットでいろんな方がいろんな書き込みをされているので不安も増すのではないでしょうか。でも、副作用は吸入ステロイドに限ったことではありません。どんな薬にも多少の副作用が出るリスクがあります。極論を言うと食べ物でも人によって「あう」「あわない」があるのですから。
問題は治療としてその薬が本当に必要かどうか。そしてその薬がもたらす利益(喘息の場合には症状が良くなり、生活の質が良くなること)が副作用のリスクよりも明らかに高いかです。
吸入ステロイド薬は喘息発作をコントロールするために多くの方で必要な薬です。正しい使い方をしていれば副作用の心配はありません。
最後に、飲み薬のステロイドと吸入のステロイドを混同しないようにしましょう。飲み薬のステロイドは長期間飲み続けると副作用が高確率で出てしまいます。 - 喘息と診断されたのですが、運動はしない方がいいですか?
-
子どもの時の運動や体を使った遊びは心身の発達にとても重要です。喘息と診断されたから運動を制限する必要はありません。きちんと喘息をコントロールする薬を服用し、運動をしても発作が起こらないようにしましょう。ただ、発作を起こしている間は体を休めてください。
- 保育所・幼稚園・学校など集団生活ではどのようなことに注意したらいいですか?
-
集団生活で発作が起こりやすいのは、掃除の時間、体育などの運動中です。喘息のコントロールが出来ていれば制限をする必要はありません。ただ、喘息発作が出たときの連絡や対応については事前に話し合っておいた方がよいでしょう。